東京藝術大学毛利嘉孝研究室では、2021年より国内7ヶ所を巡回してきた「Punk! The Revolution of Everyday Life」展を開催します。
“日常生活に明確に言及することなく、革命と階級闘争について語る人たち、愛について何が破壊的で、制約の拒否において何が明確であるかを理解しない人たちは、口の中に屍体をくわえているのだ。”
ラウル・ヴァネーゲム『日常生活の革命』
パンクは一般的に騒がしい音楽に派手なファッション、暴れる観客といったイメージを持たれることが殆どですが、この系譜を辿るとみえてくるのが「相互扶助」「積極的自由」「自主管理」など、他者および自己への倫理といった原理の通底です。現代美術とロックから派生したパンクは、音楽活動のみならず、独自の倫理的実践を通して社会に影響を与え、多様性といった人間性の回復をもたらしてきました。本展では、パンクがこれまでさまざまな社会問題に取り組んできた実践と批評性を捉えることで、現代美術との親和性、さらには両者の相乗性について検討します。諸問題を抱える現代の日常生活に対してパンクがどのように音楽を通じて自律空間を形成しているのか、さらにはそれがどのような意味を持つのか、改めて振り返ります。
会期中にはゲストを招いたトークイベントも開催します。本展では、パンクの系譜を俯瞰することで、それぞれの社会背景から生まれたD.I.Y精神が脈々と受け継がれてきたことがわかります。私たちのこれからの暮らしや日常について、対話し、考ていく展覧会です。
会期|2023年4月28日(金) – 5月8日(月)
会場|東京藝術大学大学美術館 陳列館 1F 〒110-0007 東京都台東区上野公園12−8
休館日|なし
入場|無料
時間|10:00 – 17:00
主催|毛利嘉孝研究室
キュレーション|川上幸之介
協力|モトヤユナイテッド株式会社
高崎英樹(BRONZE FIST RECORDS)
江上賢一郎(東京藝術大学)
■スペシャルイベント
5月7日(日)17:00-18:30 「アジアのパンクシーン」高崎英樹(BRONZE FIST RECORDS)
5月9日(火)18:00-19:30 「DIYとパンク」永山愛樹(タートルアイランド)
ファシリテーター 毛利嘉孝(東京藝術大学)、川上幸之介(倉敷芸術科学大学)
定員|50名(予約不要)
■出品作家・グループ
ダダ|DADA
レトリスム|Lettrism
シチュアシオニスト・インターナショナル|Situationist International
ブラックマスク&アップ・アゲインスト・ザ・ウォール・マザーファッカー|
Black Mask&Up Against the Wall Motherfucker
キング・モブ|King Mob
クラス|CRASS
ライオット・ガール|Riot Grrrl
クィアコア|Queercore
アフロパンク|Afropunk
インドネシアン・パンク|Indonesian Punk
ミャンマー・パンク|Burmese Punk
ネパール・パンク|Nepalese Punk
フィリピン・パンク|Filipino Punk
橋の下世界音楽祭|Soul Beat Asia
デヴィッド・グレーバー|David Graeber